アスベストはその繊維が空気中に飛散しやすく、肺がんや中皮腫など深刻な健康被害を引き起こす可能性があるため、適切な管理と処理が欠かせません。日本では2006年にアスベストの製造・使用が全面禁止されましたが、それ以前に建てられた建物の多くにはアスベスト含有建材が今も残存しています。とくに2023年10月の法改正以降、すべての解体・改修工事で有資格者による事前調査が義務化されるなど、規制がさらに強化されました。
こうした状況においては、「どの業者に調査・除去を依頼するか」が極めて重要です。業者によって対応範囲・保有資格・実績・報告体制などが大きく異なるため、価格だけでなく信頼性や安全性を見極める目が求められます。
本記事では、株式会社食環境衛生研究所の対応可能な業務内容や提供プラン、依頼の流れについて詳しくご紹介しています。アスベスト調査や分析を検討されている皆さまは、ぜひ参考にしてください。
【群馬県】株式会社食環境衛生研究所|アスベスト調査・分析

会社概要
株式会社食環境衛生研究所は、1998年に群馬県前橋市で設立された、総合的な検査・分析機関です。同社は「食品の生産・加工過程と、食品の安全性向上に貢献し、もって人の健康と好ましい生活環境を持続できる社会構造を実現する」を経営理念とし、食品、畜産、環境衛生(アスベスト分析を含む)、衛生検査所、動物用医薬品開発支援など多岐にわたる分野の検査・試験を提供しています。アスベスト分析においては、迅速かつ丁寧な対応と、お手頃な価格設定を特徴としており、石綿分析技術評価事業認定技術者や一般建築物石綿含有建材調査者の資格を保有する専門社員が分析・調査を行っています。同社の品質管理体制は、国際基準であるISO/IEC 17025:2017の認定を受けており、高い信頼性を確保しています。建材に加えて、珪藻土を使用したバスマットやコースターといった製品のアスベスト分析にも対応しており、最短で翌営業日に結果を報告する「超特急」プランも用意されています。
対応可能な業務
食環境衛生研究所が提供するアスベスト関連業務は、調査から報告書作成まで一貫しており、JIS規格に準拠した精度の高い分析が特徴です。法人が直面する法令対応や緊急性の高い案件にも柔軟に対応できる体制が整っており、全国の建設現場や公共施設で幅広く活用されています。株式会社食環境衛生研究所が対応している業務内容は以下の通りです。
・ 定性分析(アスベストの有無確認)
食環境衛生研究所が提供する主要なサービスは、建築材料や製品中のアスベスト含有の有無を特定する定性分析です。同センターでは、日本工業規格(JIS規格)に則り、JIS A 1481法による分析結果を提供しており、アスベスト分析の技術力を証明する「石綿分析技術評価事業」認定技術者や、一般建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ専門家が分析・調査を担当します。依頼されたすべての試料について層別分析を実施する体制を整えており(粉末状建材等で層別分析が困難な場合を除く)、報告書には試料の外観、層が見える拡大写真、アスベスト含有試料については伸長の符号が見える偏光顕微鏡写真が必ず添付されます。これにより、依頼者は公的な手続きに必要な高い信頼性を持つ分析結果を確実に得ることが可能です。特に、建築物の改築や解体を受注する際に必須となる事前調査と検査において、法令遵守を確実にするための重要な役割を担っています。
・ 現場調査および採取の相談受付と技術サポート
同センターは、アスベスト分析の受託だけでなく、現場での調査や検体採取の依頼についても、問い合わせフォームを通じて相談を受け付けています。現場調査を依頼する場合の費用目安として、基本料金110,000円(税込)に加えて、採取費用、分析費用、交通費が必要となり、検体数や地域によって価格が変動します。同センターには、アスベスト分析に必要な資格を取得した社員が多数在籍しているため、分析だけでなく調査に関しても専門的な対応が期待できます。特に、建材に石綿が含まれているか確認したい「廃棄物処理業者」「解体業者」「建築業者」はもちろん、「個人顧客」からの相談も歓迎しており、幅広い依頼者層に対して、アスベストに関する不安や疑問に対応できる体制を整えています。
・ 環境・衛生分野全般にわたる総合的な検査・調査サービス
株式会社食環境衛生研究所は、環境衛生分野におけるアスベスト分析(石綿分析)だけでなく、食品、畜産、動物薬開発支援など、幅広い専門分野の検査・試験サービスを一括して提供できる総合的な体制を構築しています。環境分野では、アスベスト以外にも、PFAS(有機フッ素系化合物)、PCB、水質検査(排水・井戸水)、レジオネラ属菌検査、肥料・土壌・飼料の検査、カビ毒検査など、多様な環境測定に対応可能です。また、同社は環境計量証明事業の登録を有しており、微生物検査技術に基づいた衛生管理指導を行う食品衛生コンサル事業部も展開しています。この総合力により、法人がアスベスト調査と同時に、その他の環境測定や衛生管理の課題もまとめて相談できるため、検査ニーズに対して包括的かつ効率的に対応できる体制を提供しています。
利用しやすいプランと料金設定
食環境衛生研究所では、アスベスト分析の目的や納期の緊急度に応じて、柔軟な料金体系が用意されています。法人の施工計画や行政対応に合わせて最適なプランを選択できるため、現場の実情にフィットした依頼が可能です。
【定性分析(アスベスト有無の確認)】
・通常プラン
・税抜12,000円(税込13,200円)
・報告納期:5営業日以内
・特徴:一般的な調査依頼に最適。余裕を持ってスケジュール調整できる方向け。
・特急納期プラン
・税抜13,000円(税込14,300円)
・報告納期:3営業日以内
・特徴:工期が短縮された場合や、急な改修判断が必要な際に有効。
・超特急納期プラン
・税抜20,000円(税込22,000円)
・報告納期:翌日
・特徴:行政提出期限が迫っている、または入札前の調査が必要なケースに最適。

【選び方のポイント】
・工期が迫っている場合や、行政手続きが目前にある場合は、特急/超特急プランの利用が安心です。
・複数検体をまとめて調査する場合は、通常納期と組み合わせることで費用を抑えることが可能です。
・まずは定性分析で有無を調査し、その結果に応じて定量分析へと進める「段階的な発注」も推奨されています。
依頼の流れ(STEP形式)
食環境衛生研究所では、初めてアスベスト調査を依頼する企業や法人担当者にも安心してご利用いただけるよう、明確かつスムーズなプロセスを設計しています。サンプリングから報告書提出までを一貫対応し、手続きの煩雑さを最小限に抑えています。
① アスベスト分析の依頼書(Excel)記入
ウェブサイトから依頼書をダウンロードし、必要事項を記入します。依頼書は分析試料に同封して送付します。報告書が2部以上必要な場合は、1部あたり1,650円(税込)が追加料金として必要です。
② 試料の用意
分析に必要な試料を用意します。必要量は、粉末であれば10gくらい、成形物であれば5cm角~10cm角くらい、吹付材(わた状)であれば直径5cm~6cmのものを3個分(ゴルフボールくらいの大きさ3個分)が目安です。
③ 依頼フォーム送信
作成した依頼書を「問い合わせフォーム」に添付し、必要事項を記入して送信します。
④ 試料の送付
分析試料を、飛散防止のためチャック付の袋に二重にして梱包したうえで送付します。梱包が不完全な場合、分析依頼の受付が断られる場合があるため注意が必要です。
アスベスト調査・分析の重要性と信頼できる業者の選定
アスベストの調査・分析・除去工事は、専門的な知識と確かな技術、そして法律に準拠した対応力が求められる重要な作業です。業者選びを誤ると、健康被害リスクや法令違反、追加費用の発生など深刻なトラブルに発展する可能性もあるため、信頼できる業者を慎重に選定することが不可欠です。
本記事では、株式会社食環境衛生研究所をご紹介しました。アスベスト問題は、目に見えないからこそ慎重な対応が求められます。信頼できる業者とともに、安全で確実な調査・除去を進めることが、住環境や事業環境を守る第一歩となるでしょう。