本記事では、2026年1月1日に施行された石綿障害予防規則(石綿則)の改正に焦点を当て、特に「工作物」の解体・改修工事におけるアスベスト事前調査の義務化とその対策について詳細に解説します。アスベストによる健康被害を未然に防ぐため、事業者が理解すべき法改正のポイント、事前調査の具体的な要件、必要な資格、そして講じるべき石綿障害防止措置について、一次情報源に基づき深く掘り下げていきます。

2026年1月施行:工作物のアスベスト事前調査義務化の全容と対策

2026年1月1日より、石綿障害予防規則(石綿則)が改正され、建築物だけでなく「工作物」の解体・改修工事においてもアスベストの事前調査が義務化されました。この事前調査は厚生労働大臣が定める講習を修了した有資格者が行う必要があり、調査結果の記録は3年間、一定規模以上の工事では労働基準監督署への報告も義務付けられます。本記事では、改正石綿則の主要ポイント、工作物事前調査の具体的な要件、必要な資格、そして事業者が講じるべき石綿障害防止措置について、一次情報源に基づき詳細に解説します。労働者の健康障害防止と石綿ばく露防止のため、事業者は改正内容を正確に理解し、適切な対策を講じることが喫緊の課題です。

石綿障害予防規則(石綿則)とは

石綿障害予防規則(通称:石綿則)は、労働安全衛生法に基づき、石綿(アスベスト)による労働者の健康障害を防止するために定められた特別規則です。かつて建材などに広く用いられた石綿は、その発がん性から現在は製造・使用が全面的に禁止されており、既存建築物等の解体・改修作業におけるばく露防止対策が喫緊の課題となっています。

労働安全衛生法では、特に危険有害性の強い一部の化学物質に関して特別規則と呼ばれる個別具体的な管理方法を定めています。そうした特別規則の一つとして、石綿障害予防規則(石綿則)があります。石綿(アスベスト)はかつて建材として広く使用されていましたが、現在は健康障害のリスクから製造、輸入、譲渡、提供、使用が全面的に禁止されています。石綿則はすでにある建築物等の解体作業や石綿の除去作業を行うにあたって、必要となる石綿対策の措置を定めたものです。

建築物の解体や石綿の除去作業等を行う場合には、以下の石綿対策を行わなければならないことが石綿則で定められています。

・ 事前調査
・ 作業計画の作成
・ 作業の届出
・ 石綿障害防止措置

本記事ではこれらの手順について解説します。

なお、石綿則では「石綿等」について「石綿もしくは石綿をその重量の0.1%以上含有する製剤等」と定めています。本記事でも「石綿」と表記した場合にはこれにならうものとします。

事前調査

アスベストの事前調査は、建築物等の解体・改修工事を行う際に、対象となる建築物等に石綿含有建材が含まれていないかを確認する重要なプロセスです。この調査は、設計図書による確認や目視調査から始まり、必要に応じて建材の採取・分析調査へと進みます。特に2026年1月1日からは工作物も事前調査の義務化対象となり、有資格者による調査が必須となります。

事業者は、建築物等の解体等を行う際に作業対象の建築物等に石綿を含む建材が含まれていないかを調査しなければなりません。

調査の方法

事前調査は、まずは設計図面の確認や現場での目視確認を行います。目視等による調査で石綿使用の有無が確認できなかった場合には、現地で建材を採取して分析による調査を行うか、石綿含有が不明な建材に関して石綿を含有しているものとみなして作業を行う等の対応をしなければなりません。

なお、分析による調査を行う場合には、「分析調査講習を受講し、修了考査に合格した者又は同等以上の知識及び技能を有すると認められる者」に行わせなければなりません。その要件や、分析方法については厚生労働省の定める「石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル」を参照してください。

事前調査の際には、国土交通省と経済産業省が公開している「石綿(アスベスト)含有建材データベース」などが参考になります。また、事前調査に関する詳細な方法などは「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」等にも記載がありますので参考にしてください。

調査を行うものの要件

現在(2026年以前)、建築物や鋼製の船舶を解体等する作業に関しては、事前調査を以下の要件を満たすものに行わさせなければならないとされています。

建築物

・ 建築物石綿含有建材調査者講習の修了者(特定建築物石綿含有建材調査者、一般建築物石綿含有建材調査者、一戸建て等石綿含有建材調査者)
・ 令和5年(2023年)9月30日以前に日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き同協会に登録されている者

船舶

船舶における石綿含有資材の使用実態の調査を行う者で、船舶石綿含有資材調査者講習を受講し、修了考査に合格した者

工作物

この規定は、2026年1月1日から適用されています。工作物の事前調査を行うものの要件は、対象の工作物の種類によって、必要な資格の範囲が異なります。

工作物石綿事前調査者に認められるためには、登録講習機関が実施する「工作物石綿事前調査者講習」を修了する必要があります。この講習は誰でも受講できるわけではなく、受講資格として当事者の状況に応じたある程度の実務経験が求められます。

記録の作成及び保存

事業者は事前調査を行った場合には、以下の項目について記録を作成し、事前調査を修了した日から数えて3年間保存しなければなりません。また、作業場の労働者から見やすい位置への掲示も必要です。

・ 事業者の名称、住所及び電話番号
・ 解体等の作業を行う作業場所の住所並びに工事の名称及び概要
・ 調査終了日
・ 着工日等
・ 事前調査を行った建築物、工作物又は船舶の構造
・ 事前調査を行った部分(分析調査を行った場合にあっては、分析のための試料を採取した場所を含む。)
・ 事前調査の方法(分析調査を行った場合にあっては、分析調査の方法を含む。)
・ 材料ごとの石綿等の使用の有無及び石綿等が使用されていないと判断した材料にあっては、その判断の根拠
・ 事前調査のうち、建築物及び船舶に係るものを行った者(分析調査を行った場合にあっては、当該分析調査を行った者を含む。)の氏名及び要件を満たす者であることを証明する書類の写し
・ 第二項第二号ただし書に規定する材料の有無及び場所

2026年1月施行の改正では、工作物の事前調査についても以下の記録を事前調査の終了した日から3年間保存することが義務となります。分析調査を行う場合は、「すべての事前調査の終了日」と「分析調査の終了日」の遅い方の日から3年間です。

・ 事前調査を行った者の氏名
・ その者が資格要件を満たすことを証明する書類の写し

調査結果の報告

2022年以降、一定の条件を満たす作業に関しては、事前調査の結果を労働基準監督署に提出することが義務付けられました。報告対象となる条件は以下の通りです。

・ 建築物の解体工事(解体作業対象の床面積の合計80 ㎡以上)
・ 建築物の改修工事(請負金額100万円以上(税込))
・ 工作物の解体・改修工事(請負金額100万円以上(税込))
・ 鋼製の船舶の解体・改修工事(総トン数20トン以上)

申請は「石綿事前調査結果報告システム」から電子申請が行えます。

なお、大気汚染防止法(大防法)では石綿の事前調査結果に関して都道府県へ報告を行わなければならないと定めていますが、上記のシステムでは併せて申請が可能です。

出典:厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」

作業計画の作成

石綿含有建材の存在が明らかになった場合、事業者は石綿の飛散防止と労働者のばく露防止のため、詳細な作業計画を策定し、それに厳密に従って作業を進める必要があります。この計画には、作業方法、粉じんの発散防止策、労働者のばく露防止策などが具体的に明記され、作業員への周知が義務付けられます。

事前調査の結果石綿を含有する建材が解体等作業の対象となる建築物等に含まれていることが明らかになった場合、事業者はあらかじめ作業計画を定め、それに則って作業を行わなければなりません。

石綿則で作業計画に記載すべきと定められている項目は以下の通りです。

・ 石綿使用建築物等解体等作業の方法及び順序
・ 石綿等の粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
・ 石綿使用建築物等解体等作業を行う労働者への石綿等の粉じんのばく露を防止する方法

なお、事業者は作業計画を定めた際には、これを作業場の見やすいところに掲示するなどして労働者に周知しなければなりません。

作業の届出

石綿含有建材の解体等作業を行う際には、特定の条件を満たす場合、事前に労働基準監督署への届出が義務付けられています。特に石綿が吹き付けられている場合や、保温材・耐火被覆材に使用されている場合に届出が必要となり、適切な様式と図面を提出することで、作業の安全性を確保します。

事業者は石綿等を含有する建築物等の解体等の作業を行う際には、一定の条件を満たす場合、事前に労働基準監督署に作業の届出を行わなければなりません。

届出が必要となるのは、石綿が吹き付けられている場合や、保温材や耐火被覆剤に石綿が使用されているような場合です。塗材や成形板等として石綿が使用されている場合は届出の必要はありません(事前調査の結果の届出は必要になります)。

届出は、以下の様式に加えて、当該建築物等の概要を示す図を提出する必要があります。

・ 石綿則:様式第一号の二

石綿障害防止措置

石綿含有建材が確認された場合、事業者は作業場の状況に応じて適切な石綿障害防止措置を講じる必要があります。これには、作業場への立ち入り禁止措置、石綿作業主任者の選任、労働者への特別教育、保護具の備え付け、作業記録の作成、そして粉じんのばく露リスクに応じた具体的な対策が含まれます。これらの措置は、労働者の健康と安全を確保するために不可欠です。

事前調査の結果、解体等作業の対象となる建築物等に石綿含有建材が含まれていた場合、事業者は作業の実施にあたって適切な石綿等の除去に関する処置を実施しなければなりません。以下では作業場の状況ごとに必要となる措置をまとめています。

なお、わかりやすさのために一部細かな規定を省略している場合があります。実際に石綿障害防止措置をとる場合には、法令本文(e-Gov 石綿則)を必ず確認し必要な措置を漏れなく把握した上で実施してください。

石綿等を取り扱う作業場に講じるべき措置

石綿等を取り扱うすべての作業場において、事業者は以下の措置を講じなければなりません。請負人への周知も必要です。

・ 立ち入り禁止措置
・ 石綿作業主任者の選任
・ 労働者に対する特別教育
・ 洗眼、洗身又はうがいの設備、更衣設備及び洗濯のための設備の設置
・ 使用された器具の付着物の除去
・ 喫煙、飲食等の禁止措置
・ 石綿等を取り扱っている旨および、石綿による疾病や取扱上の注意、使用すべき保護具などの掲示
・ 作業記録の作成
・ 必要な呼吸用保護具について、就労人数以上の備え付け

これらの措置は石綿等を取り扱っている場合、作業場の状況によらず講ずる必要があります。上記のうちいくつかの措置について補足を行います。

石綿作業主任者

石綿等を取り扱う作業場では必ず石綿作業主任者を選任しなければなりません。石綿則では、石綿作業主任者の主な職務は以下のように定められています。

・ 作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
・ 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を一月を超えない期間ごとに点検すること。
・ 保護具の使用状況を監視すること。

なお、石綿作業主任者の選任にあたっては、石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任しなければならないと定められています。石綿作業主任者技能講習は学科試験で、科目は以下の通りです。

作業記録の作成

事業者は、解体作業等を行った際には、事前に作成した作業計画に従って作業を行わせたことについて確認できる記録を作成し、次の項目を記載しなければなりません。

・ 当該石綿使用建築物等解体等作業に従事した労働者の氏名及び当該労働者ごとの当該石綿使用建築物等解体等作業に従事した期間
・ 周辺作業従事者の氏名及び当該周辺作業従事者ごとの周辺作業に従事した期間

なお、作成した記録は作業の終了日から数えて3年間の保存が義務付けられます。

労働者が石綿等の粉じんにばく露する恐れのある作業

石綿含有建材の切断や、粉状の石綿を取り扱う作業など労働者が石綿等の粉じんにばく露する恐れのある作業を行う場合には、事業者は上記の措置に加えて以下の措置を講じなければなりません。請負人への周知も必要です。

・ 除去、封じ込め、囲い込み等の措置
・ 呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣の使用
・ 石綿等を湿潤な状態にすること
・ 除じん性能を有する電動工具を使用すること
・ 石綿等の切りくず等を入れるためのふたのある容器の備え付け

石綿等の粉じんが発散する屋内作業

石綿等の粉じんが発散しうる屋内作業については、上記の他にさらに以下の措置を実施しなければなりません。

・ 粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の設置
・ (上記措置が困難な場合)全体換気装置の設置等の措置
・ 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置の定期自主点検
・ 作業環境測定の実施

局所排気装置等について

石綿則では、局所排気装置、プッシュプル型換気装置および除じん装置について、いくつかの要件を定めています。具体的には、石綿則本文(e-Gov)の第十六条、第十七条、第十八条等です。

また、これらの装置については装置を初めて使うときや修理等を行なったとき、および一年以内ごとに一回の定期自主点検の義務が定められています。点検すべき項目としては、第二十二条で以下のように定められています。

なお、自主点検を行なった場合には「検査年月日、検査方法、検査箇所、結果、実施者の氏名、措置の内容」について記録を作成し、3年間保存しなければなりません。

作業環境測定

石綿等の粉じんが発散しうる屋内作業を行う際には、事業者は6ヶ月以内ごとに1回、石綿の空気中における濃度を測定しなければなりません。

なお、測定を行った際には以下の項目について記録を作成し、これを40年間保存しなければなりません。

・ 測定日時
・ 測定方法
・ 測定箇所
・ 測定条件
・ 測定結果
・ 測定を実施した者の氏名
・ 測定結果に基づいて当該石綿による労働者の健康障害の予防措置を講じたときは、当該措置の概要

また、測定後には作業環境評価基準に従って作業環境を管理区分に分類します。評価の日時、箇所、結果、実施者については記録の作成と40年間の保存が必要です。

区分結果に従って作業環境の改善措置や維持を行うようにしましょう。区分結果および結果に基づいた措置については、作業場の見やすい場所等に掲示するなどによって労働者への周知を行います。

常時石綿等を取り扱う作業

作業場で常時石綿等を取り扱う場合には、上記の措置に加えて以下の措置を講じなければなりません。

・ 休憩室の設置(洗浄を行ってから入室する)
・ 休憩室の掃除
・ 常時作業に従事する労働者について記録の作成
・ 常時作業に従事する労働者について健康診断の実施

記録の作成

常時作業に従事する労働者については、一月を越えないごとに以下の事項の記録を作成し、当該労働者が作業に従事しなくなった日から40年間保存しなければなりません。

・ 労働者の氏名
・ 従事した作業の概要、当該作業に従事した期間、事前調査(分析調査を行った場合においては事前調査及び分析調査)の結果の概要
・ (粉じんを発散する場所における作業の場合)作業の概要、周辺作業従事者が周辺作業に従事した期間、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱う作業(石綿使用建築物等解体等作業に限る。)に係る事前調査及び分析調査の結果の概要、保護具等の使用状況
・ 石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要

健康診断

常時作業に従事する労働者については、雇入れ時や当該業務への配置替えの際、及びその後6ヶ月以内ごとに一回、以下の項目について医師による健康診断を行わなければなりません。

・ 業務の経歴の調査
・ 石綿によるせき、たん、息切れ、胸痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査
・ せき、たん、息切れ、胸痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査
・ 胸部のエックス線直接撮影による検査

この結果については、労働者への通知および労働基準監督署への提出を行わなければならないことに加え、事業者が当該業務に従事しなくなった日から40年間記録を保存しなければなりません。

なお、こうした措置に加えて、石綿則第六条では取り扱う石綿の状況によって必要となる措置が定められています。

石綿則の改正

2026年1月1日に施行された石綿障害予防規則の改正では、特に工作物の解体・改修工事における事前調査の義務化が大きな変更点です。これにより、建築物と同様に工作物においても、厚生労働大臣が定める講習を修了した有資格者による事前調査が必須となり、調査結果の記録・保存義務も拡大されました。事業者は、これらの改正内容を正確に理解し、適切な対応が求められます。

2026年1月1日に石綿則の改正が行われました。改正後には、先述の通り工作物を解体等する場合においても事前調査を行うものの要件が定められています。要件に関しては「調査を行うものの要件」でご紹介した厚生労働省による表をご確認ください。

工作物石綿事前調査者となるためには、工作物石綿事前調査者講習を受講しなければなりません。科目および講習内容は以下になります。

なお、この講習は誰でも受講できるわけではなく、受講資格として当事者の状況に応じたある程度の実務経験が求められます。受講をする場合は、自身が受講資格を持っている状態かを必ず確かめるようにしましょう。受講資格については、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトに記載の通りに確認してください。

記録・保存義務

2026年1月施行の改正では、工作物の事前調査についても以下の記録を事前調査の終了した日から3年間保存することが義務となります。分析調査を行う場合は、「すべての事前調査の終了日」と「分析調査の終了日」の遅い方の日から3年間です。

・ 事前調査を行った者の氏名
・ その者が資格要件を満たすことを証明する書類の写し

出典:厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」

よくある誤解

アスベストに関する規制は複雑であり、多くの誤解が生じやすい領域です。特に「アスベスト含有建材がなければ事前調査は不要」「2026年改正は工作物には関係ない」といった誤解は、法令違反や健康被害のリスクにつながる可能性があります。最新の法令に基づき、正確な知識を持つことが重要です。

誤解1:アスベスト含有建材がなければ事前調査は不要

アスベスト含有建材が使用されていないことが明らかである場合でも、設計図書や目視による事前調査は義務付けられています。また、目視等で判断できない場合は、分析調査を行うか、アスベスト含有とみなして作業を行う必要があります。

誤解2:2026年改正は工作物には関係ない

2026年1月1日以降、工作物の解体・改修工事においてもアスベストの事前調査が義務化されました。これまでは建築物や船舶が主な対象でしたが、今後は化学プラント設備、配管、ボイラー、非常用発電設備、エレベーターなども対象となります。

誤解3:事前調査は誰が行っても良い

建築物、船舶、工作物の事前調査は、それぞれ厚生労働大臣が定める講習を修了した有資格者が行う必要があります。無資格者が行った調査は法令違反となります。

誤解4:報告義務は元請業者のみ

一定規模以上の建築物や工作物の解体・改修工事では、元請業者だけでなく、発注者にも事前調査結果の報告義務が生じる場合があります。大気汚染防止法に基づく報告は都道府県へ、石綿障害予防規則に基づく報告は労働基準監督署へ行います。

よくある質問

Q. 2026年の石綿則改正で最も重要な変更点は何ですか?
A. 2026年1月1日以降、建築物だけでなく「工作物」の解体・改修工事においてもアスベストの事前調査が義務化された点です。これにより、これまで対象外だった設備なども調査対象となります。

Q. 工作物の事前調査は誰が行う必要がありますか?
A. 工作物の事前調査は、厚生労働大臣が定める「工作物石綿事前調査者講習」を修了した有資格者が行う必要があります。受講資格には一定の実務経験が求められます。

Q. 事前調査の結果はどのくらいの期間保存する必要がありますか?
A. 事前調査の結果は、調査終了日から3年間保存する義務があります。分析調査を行った場合は、「すべての事前調査の終了日」と「分析調査の終了日」の遅い方の日から3年間です。

Q. 事前調査結果の報告義務はありますか?
A. はい、一定規模以上の建築物や工作物の解体・改修工事では、事前調査結果を労働基準監督署に報告する義務があります。大気汚染防止法に基づく報告は都道府県へも行います。

Q. アスベスト含有建材が見つかった場合、どのような措置が必要ですか?
A. 石綿含有建材が見つかった場合は、作業場の立ち入り禁止、石綿作業主任者の選任、労働者への特別教育、適切な保護具の使用、作業記録の作成、粉じんの発散防止措置(湿潤化、除じん性能を有する電動工具の使用など)といった石綿障害防止措置を講じる必要があります。

まとめ

2026年1月1日に施行された石綿障害予防規則の改正は、アスベストによる健康被害防止対策を強化する重要な一歩です。特に工作物の事前調査義務化は、これまで対象外だった設備にも適用され、事業者は新たな対応が求められます。事前調査の適切な実施、作業計画の策定、届出、そして厳格な石綿障害防止措置を通じて、労働者の安全と健康を守ることが最優先されます。本記事で解説した内容を参考に、法令遵守と安全な作業環境の確保に努めてください。

参考文献

[1] スマートSDS ジャーナル「【2026年改正】石綿則とは? 工作物の事前調査要件や、届出などについてわかりやすく解説」
[2] スマートSDS ジャーナル「【2026年最新】労働安全衛生法改正まとめ:化学物質に関する法規制の最新動向を一覧で解説!」